★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。

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http://kawaicamp-ouentai.mimoza.jp/tazawa/20151114_02.pdf

鹿沼市の住宅街での泥出し作業
 初日のボランティアの作業は、泥水に浸かり非常に重くなった家具・畳を外に運びだし床下の泥を掻き出す作業で、一週間以上経つのにまだ床下は水たまりもあり、強烈な異臭を放っている状況です。できるだけ丁寧に泥を掻き出した後は石灰を撒いて消毒・殺菌するのですが、経験上(東日本大震災や岩手内陸豪雨災害など)、リフォームをしたとしても長期間にわたり臭いが取れないこともあるので心配です。
 さらにボランティアの派遣先は、お年寄り二人で住まわれていた場所ですが、実の息子さん家族の手伝いもなく、あら? 一度顔を見せたと思ったら・・・。いろんな事情があるのでしょうけども・・・。都市部になるほど近所付き合いなども希薄になってくるようで寂しい限りです。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:23 No.562
Re: ★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。
鹿沼市の園芸農家での泥出し
鹿沼市では本流の川も氾濫しましたが、支流の川も多く氾濫していました。マスコミ報道は茨城県だけを多く取り上げているように感じられるせいか、栃木県ではボランティアの数も少いような状況です(あくまでも私個人の感想ですが)。また役所の連携、ボランティアセンターの運営の拙さから、集合時間から二時間以上過ぎてからようやく現場に向かうという事態も。ボランティアの受け入れ、派遣などの体制も慣れていないと混乱しますから、避難訓練などでも取り上げてほしい課題です。
 ただ、現場を混乱させるだけのNPO団体もいますから、気を付けなければなりませんが。

写真は 作業前のミーティング風景
 派遣されてきた30数名をいくつかのグループに分けて、作業エリア、作業内容、注意点などを確認してからそれぞれの分担エリアに分かれてもらい作業開始です。重労働なので、水分補給・休憩にも気を配ります。初めてボランティア活動に参加したという方もいるので、特に注意を払って作業に加わってもらいます。土のう袋の縛り方で経験の有無が分かるのですが、東日本大震災で経験した方もいました。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:25 No.563
Re: ★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。
ビニールハウス内の堆積泥の状況
 鹿沼市で行った作業の一つは、シンビジウム栽培農家さんのハウス内の泥出しです。幸いなことに今年出荷予定の花は、開花直前のひと手間ということで別の場所に移していたのですが、3年の歳月をかけて育てている鉢の2年目・1年目の苗が泥をかぶる被害を受けてしまったのです。
 川からの氾濫水はもちろん、田んぼの堆肥、下水・浄化槽などからあふれた水が泥となって5〜10cmの厚さで堆積しているため、丁寧に排除します。もとの地盤は健康的な黒色ですが、堆積泥は黄土色のため、この黄土色の部分の土を取り除く作業です。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:29 No.564
Re: ★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。
ビニールハウス内の作業
こちらの農家さんのシンビジウムは農林水産大臣賞を受賞するほどの花で本当に大切に育てていたことが伺えます。シンビジウムは蘭の仲間で細菌や病気に弱いので、雑菌の塊である泥は排除しなければなりません。そのハウス内は10〜20cmの厚さで泥が堆積している状態で、それを掻き出す作業です。どれだけ生き残ってくれるか本当に心配です。
 大切に育てるために、一鉢一鉢分けて棚状に組んだパイプ、散水用のパイプ、配線など縦横無尽に配置されているため、機械が入れず人の力に頼るしかない状態なのです。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:30 No.565
Re: ★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。
土のうの運び出し
 堆積泥を詰めた土のう袋を外の集積場へ運び出すのですが、こちらの農家さんのハウス内は広く、足場も悪くぬかるんでいたりするので重労働です。更にこの日は天気も良かったため気温が上昇、ハウス内はサウナ状態。私も、この日一日で5kgの減量に成功しました。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:31 No.566
Re: ★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。
集められた土のう
 パレットの上に土のう袋を積み上げ、フォークリフトでトラックに積み込み、とりあえず仮の処分場へ運搬します。近所の農家さん、ボランティア、総勢30名で1200袋もの土のうを作りあげ外に運び出しました。
 市街地だと近所付き合いも希薄になってくるため、老夫婦だけのお宅だと本当に気の毒になります。住宅が無事だったご近所は見て見ぬふり、ボランティアに対しても怪訝そうな視線も。(あくまでも私が感じたことですが、空き巣も増えているという報道のせい?)
 その点、農家さんだと隣近所で助け合う気持ちが強いと感じられましたし、一日も早く元の生活に戻すんだという熱意が伝わってきます。またボランティアに対する心配りも、逆にこちらが恐縮してしまうほどです。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:33 No.567
Re: ★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。
作業内容の報告
 作業終了後はボランティアセンターへ作業内容の報告、ボランティアが被災者から直接聞いた、行政への不満や本音・要望状況の聞き取り確認、作業をしたボランティアの怪我の有無や作業場の問題点など報告後、解散となります。
 この期間中も、沖縄・横浜の高校生が、それぞれ一人で被災地に来て活動してくれました。宿泊は、鉄道駅や道の駅、ネットカフェなどさまざまですが、彼らのような高校生に宿を無償提供できるシステムがあればと痛切に願います。もちろん、被災者が最優先であることが前提ですが。
 彼らは学校の授業では決して得られないことを学んでいきました。被災者やボランティア経験者の言葉に耳を傾け、自分自身のスキルアップのために何が足りないのかを理解して、進むべき方向を見つけてくれたのです。東日本大震災時に中学生・小学生だった彼らが何もできない自分が悔しかったと言っているのです。彼らのような若者が日本を導いてくれることを願います。
 かくいう私にできることは、近くの温泉施設に彼らを連れて行き、一風呂浴びてもらうことしかできません。私自身もスコップやバールなどの作業道具・着替え・食料など満載で「道の駅」などで車中泊している状態でしたから。
 被災地近くの公共の温泉施設などでは、ボランティアであることを告げると、無料で利用させてもらえる施設もあるため、非常にありがたく感謝しています。岩手内陸部の豪雨災害時も、ボランティアにお風呂を解放してくれる温泉もあって本当に助かったことを思い出します。

別れの合言葉は「被災地で会おう」
 不謹慎に聞こえるかも知れませんが、本当に困っている人のもとに駆けつけて、皆で力を合わせて助け合い、励まそうとう決意の表れなのです。決してふざけあって言っている合言葉ではないのです。写真は上尾市のボランティアチームの皆さんと。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:34 No.568
Re: ★シルバーウィークを利用して栃木にボランティアへ。
もちろん他のボランティアも日本各地から集まってきていましたし、顔なじみとなったボランティアとも数多く再会することができました。とくに連絡を取り合っていたわけではないのですが、違和感なく溶け込んでいるという感じです。作業中も様々な工夫が生まれ、教えあいながら役割を淡々とこなしていくという独特な連帯感が生まれてくるのです。 会社から、タオル、マスク、軍手、土のう袋など支援品として委託され持ってきたボランティア、移動販売の「たい焼き屋さん」は、ボランティアセンターで焼いた「たい焼き」をボランティアに託して、被災者に配ってもらうという粋な計らいをする人もいました。 被災地ではボランティアを「空き巣では?」と疑いの目で見られたりすることもありますが、周囲から信頼されるボランティア活動を続けたいものです。

写真は、顔なじみのボランティアとセミプロの方々。消防・自衛隊の関係者ですが、ボランティアとして参加しています。そのうちの一人は、一般のボランティアが出来ない、より高度な作業を行える組織を作ろうとしています。被災者にとってみれば、限度がありますが何でもこなせる心強いボランティアの存在もまた必要なのです。

田澤 2015/11/14(Sat) 13:37 No.569
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